Case 02 Technology

事故のないモビリティ社会への挑戦

保険に新たな価値をもたらす「CSV×DX」

昨今の自然災害の多発・激甚化や新型コロナウイルスの蔓延など、未知のリスクへの対応の必要性が増しています。一方で、脱炭素・カーボンニュートラルをはじめとした社会課題への解決に貢献する企業を評価する価値観が社会には広がっています。
「リスクをコントロールする」という保険の役割を考えたとき、事故・災害時の補償という基本機能に加え、問題となる事象の発生自体を未然に防ぐ機能や回復を支援する機能をより充実させていくことが求められています。
このような保険会社の新たな役割に対応するために打ち出したのが、「CSV×DX(シーエスブイ バイ ディーエックス)」という商品・サービスのコンセプトです。詳細はこちら
これまでも、当社は「特色ある個性豊かな会社の確立」を目指し、行動指針である「先進性」「多様性」「地域密着」を追求してきました。これからも、お客さま・地域・社会と一体となってリスクに対応し、社会・地域課題解決に資する商品・サービスを提供していくという想いが、「CSV×DX」というコンセプトに込められています。

テレマティクス自動車保険の取組み

「CSV×DX」のコンセプトを具現化する代表的な商品が、「テレマティクス自動車保険※」です。当社は、この分野におけるパイオニアとして、多くのお客さまからご支持をいただいてきた結果、テレマティクス自動車保険のご契約台数は128万台を突破しています(2022年1月末時点)。
※テレマティクス:「テレコミュニケーション(通信)」と「インフォマティクス(情報工学)」を組み合わせた造語。

テレマティクス技術で導く
安全・安心で快適なモビリティ社会

近年、IoT(Internet of things)技術の発展により、あらゆるモノ・コトが“Connected化(つながる)”され、そのつながるデータを活かした商品・サービスが提供されるようになりました。当社はあらゆるクルマがつながる時代を見据え、2015年に英国Insure the Box社を買収し、業界に先駆けて“Connected”技術を活用したテレマティクス自動車保険に取り組んできました。
日本においては、安全運転を保険料に反映する国内初の自動車保険「タフ・つながるクルマの保険」を自動車メーカーと共同開発し、さらにドライブレコーダーを活用した「タフ・見守るクルマの保険 プラス」、2021年1月には、より手軽にご加入いただける「タフ・見守るクルマの保険 プラスS」を発売してきました。これらの商品の加入台数は既に128万台を超えており(2022年1月末時点)、多くのお客さまから支持をいただいております。
テレマティクス自動車保険では、車載のデバイスにより走行データを取得し、これを分析することでさまざまな安全・安心のサービスを提供しています。
お客さまの安全運転の度合いを「安全運転スコア」として評価して保険料を割り引くだけでなく、一人ひとりの運転特性に応じた改善点をアドバイスする「運転診断レポート」の提供や、ドライブレコーダーで取得する画像や走行データに基づくリアルタイムの「安全運転支援アラート」など、事故の未然防止に資するサービスを提供しています。
また、万一事故にあわれてしまった場合にも、大きな衝撃を検知した際には保険会社からお客さまに安否確認コールを行う「緊急自動通報サービス」や、事故時の初期対応状況をご家族の方へメールでご連絡する「見守りサービス」を提供しています。さらに、走行データから車両の位置情報・速度などが把握できることでお客さまの説明の手間を大幅に省略できたり、ドライブレコーダーの画像から相手車両の速度等をAIで解析し判例情報と照らして責任割合の判定をサポートすることで迅速かつ適切な事故解決につなげる「テレマティクス損害サービスシステム」も提供しています。
これらのサービスにより、テレマティクス自動車保険では従来の保険に比べて事故の発生頻度が14%も低減しており、また、事故の当事者双方に責任が発生する対物賠償保険事故の事故解決日数が約20日短縮するなどの効果が出ており、お客さまの満足度の向上につながっています。

このようにテレマティクス自動車保険は、「事故のあとの保険」から「事故を起こさない保険」として、安全・安心なクルマ社会の実現に向けて貢献してきました。
さらには、地方創生取組としてテレマティクスデバイスを活用した交通安全イベントの実施やテレマティクス自動車保険で収集した走行データと地方自治体・警察の持つデータを連携して「交通安全マップ」を作成して地域の交通事故削減につなげたり、高齢者の運転寿命延伸に向けた脳トレゲームの提供や自然災害の発生時にテレマティクス自動車保険で収集したデータに基づき迅速な保険金支払を行うなど、社会・地域課題の解決につながるさまざまな活動に役立てています。

テレマティクス自動車保険の取組は、日本・米国・欧州・アジア・中国のグローバル5極を中心に、いまでは世界9か国で展開し、今後さらに拡大してゆく予定です。
これら世界中における取組で収集した走行データは、実に地球114万周分、累計457億キロメートル(2021年12月末時点)にもおよび、新たな商品・サービスの開発に活用しています。

新たな時代には、ビジネスチャンスがあふれている

自動車関連業界は100年に一度といわれるCASE(※1)・MaaS(※2)という言葉を象徴とする変革期にあり、また世の中全体はスーパーシティ(※3)と呼ばれる社会に向かう動きにあります。社会の変化に伴い、保険業界も新たな時代に突入しつつあります。新しい社会ではどんな新たなリスクが生じ、どんな保険サービスが望まれるのか。CASE・MaaSに続くキーワードとなるものは何でしょうか?
当社はモビリティを超えてスーパーシティに向かう取り組みに入っています。これから当社に入社される方々には、我々と一緒に時代の変化を捉え、先進性を追求し、かつてないビジネスチャンスに溢れたグローバルなステージに挑み、損害保険業界の新たなフィールドを切り拓いてほしいと考えています。私たちの保険・サービスも進化しつづけなければなりません。

※1 CASE
Connected(コネクティッド)・Autonomous(自動運転)・Shared/Service(シェア/サービス)・Electric(電動化) の頭文字をとった自動車産業に大変革をもたらすといわれるキーワード

※2 MaaS
「Mobility as a Service」の略語で交通インフラにおいて「移動」をサービスとして提供すること

※3 スーパーシティ
先進デジタル技術を活用し、交通、金融、医療、教育などあらゆる生活分野のデータを連携し、社会課題を解決していく未来都市。

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